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シドニーの基本情報  Sydney, Basic Information

基本情報
1788年1月26日、流刑囚を乗せたアーサー・フィリップ率いる船団がポートジャクソンに錨を下ろし、現在のシドニーに上陸した。オーストラリアの英国植民地としての歴史のスタートである。最初は流刑地として始まった植民地だが、1851年、内陸部バサーストで砂金が発見されたことがきっかけとなり、ゴールドラッシュを迎えた。白人はもとより、中国系などアジア各地からも多数の移民が入ってきて、大きな発展を遂げたのだ。また、南アフリカから輸入したメリノ種の羊をオーストラリアの風土に合うよう改良し、牧羊業も盛んになっていく。

ゴールドラッシュ、牧羊業と並ぶ発展のきっかけは、1813年にオーストラリア東部に連なる大分水嶺山脈(グレートディバイディングレンジ)の一部、ブルーマウンテンズ越えのルートが見つかったことだ。山を越えると、そこには緑の大地が広がっていた。現在、野菜、果物、麦、米などの農産物が作られ、広大な牧場も点在する大農牧地帯だ。しかし、その先には赤土の不毛の地アウトバックが広がっており、内陸部の開拓はほとんど進まなかった。逆に沿岸部には多くの移民が入り、数多くの町ができ上がった。

こうしたニューサウスウエールズの歴史は、そのままオーストラリアの歴史に置き換えることができるほどだ。それだけに、この州の人たちは「自分たちの州こそオーストラリアを引っ張っているのだ」という意識が強い。もちろん、それは意識だけではない。
そのニューサウスウェールズ州を代表する都市が、オーストラリア最大の人口を抱え、現実にこの国の経済・金融をリードしているシドニー。人口約400万を数えるオーストラリア随一の大都市だ。人口約400万を数えるオーストラリア随一の大都市シドニー。英国調の街並みとモダンな高層ビル、緑まばゆい広々とした公園、テラコッタ屋根のお洒落な住宅、そして入江を行き交うフェリーやクルーズ船……こうした景観が見事な調和を見せる美しい街だ。 英国がオーストラリアに植民地を置いて最初にできた街がシドニーで、歴史的建造物も数多い。特に開拓民が最初にクワを入れたロックスや、ニューサウスウエールズ植民地の行政府が置かれたシティなど、街を歩き、建物を見ているだけで、時折タイムスリップしたような感覚を味わうはずだ。

シドニーはまた、グルメ、ショッピングにもこたえられない街。オーストラリア全土から、ありとあらゆる食材が集まり、世界的にも著名なシェフたちが見事な料理を味わわせてくれる。また欧米のDCブランドのブティックはもちろん、オーストラリアンデザイナーのブティックも数多い。週末には市内各地でフリーマーケットも開かれる。 都市としての魅力だけではない。シドニーは郊外にあるオーストラリア有数の観光地への起点ともなっている。世界自然遺産のブルーマウンテンズ、イルカ、クジラが見られるポートスティーブンス、ワインの里ハンターバレーなどは日帰りから1泊2日のエクスカーションにピッタリ。 さあ、シドニーで街を楽しみ、小旅行を満喫しよう。

ニューサウスウェールズの基本データ
面積 80万1600km2
人口 約666万人
州都 シドニー(人口約399万人)
時差 オーストラリア東部標準時(日本より1時間早い)またサマータイムを採用しており、通常10月最終日曜から3月最終日曜まではさらに1時間時計が進む(日本より2時間早くなる)。
電話州外局番 02

観光情報
人口約400万を数えるオーストラリア随一の大都市シドニー。英国がオーストラリアに植民地を置いて最初にできた街がシドニーということで、見ごたえのある歴史的建造物も数多い。サーキュラーキーとロックスのエリアはシドニーのランドマークともなっているオペラハウスやハーバーブリッジがあるため、特に観光客で賑わうエリア。英国風の歴史情緒溢れるロックスや美しいシドニー湾を望むサーキュラーキーは歩いているだけでワクワクした気分が味わえる。

タウンホールを始めとしたビクトリア調の古い建造物と近代的な高層ビルが混在するシドニー経済の中心地シティ、水族館やコンベンション施設、博物館、ショッピングセンターなどが建ち並び新しい観光スポットとして生まれ変わったダーリングハーバー、その南にあるチャイナタウン、南半球随一の歓楽街キングスクロスやアイアンレースをあしらった可愛らしいタウンハウスが並ぶおしゃれな住宅街パディントンなどシドニーの魅力は尽きることがない。美しいシドニー湾のクルーズも楽しみの一つ。クルーズ船から眺めるシドニーの街は、陸からとはまた違った姿でなんとも美しい。また、郊外には美しいビーチの数々や世界遺産に登録されたブルーマウンテン、ワインの産地ハンターバレー、野生のイルカで有名なポートスティーブンスなど魅力的な場所が多い。

【観光のポイント】
Point 1 215年あまりの歴史をもつオーストラリア最初の街シドニーは、新旧がミックスされた美しい港町。街の散策、マーケット巡り、シドニーハーバークルーズ、ショッピング、ダイニングなど楽しみいっぱい。
Point 2 カラッとした夏(11~3月)は、マリンアクティビティに最適。ビーチで肌を焼くのもいいが、ヨットやサーフィン、ウインドサーフィンなどが盛んなのでぜひチャレンジしてみたい。
Point 3 ポートスティーブンスやポートマックォーリーなど沿岸部の町では、1年を通してドルフィンウオッチング・クルーズが催行されている。また、冬季にはホエールウオッチングも可能だ。
Point 4 ブルーマウンテンズなど山岳部では、カンガルーなどの野生動物を見ながらのブッシュウオーキングが楽しめる。
Point 5 オーストラリア最高峰マウントコジウスコ周辺は、スノーウィマウンテンズと呼ばれ、7~9月はスキーができる。

季節と気候
オーストラリアは、南半球にあるので季節は日本と逆な為、シドニーでの桜の開花は9月。気温の最も暑い月と寒い月の差を「年較差」というが、約10度(ちなみに東京の年較差が約22度)な為、日本に比べ季節の変化はあまりわからない。最も寒い月は7月だが、月平均気温が12度、東京でいうと4月や11月の平均気温と同じ。

[冬(6月~8月)]
最も寒いのは、6月から7月。最低気温が10度を下回り、朝晩はかなり冷えるが、日中、日差しがあれば気温が上がり暖かく感じる。そのため、日本のような暖房器具があまり普及していない。シドニー市内では、200年間雪など降ったことがなく、シドニー近くのブルー・マウンテンで雪が降るとニュースになるほど。空気が乾燥している為、気温より寒く感じる。この時期、乾燥肌にならない為にもお肌の手入れを念入りにすることが肝心。

[春(9月~11月)]
8月になると日差しも次第に長くなり、春の気配を感じるようになる。日本でいえば4月頃の感じ。日中の気温も上がり、日によっては、20度を超えることもある。9月になると春本番になり、花々が咲き乱れ、桜の開花も9月。日本では桜のあとに5月頃に藤の花が咲くが、シドニーでは桜と藤の花はほぼ同時。11月の春の終わりになるとジャカランダの花が咲く。ジャカランダは、薄い紫の花が咲き、桜と同じように葉が出る前に花が咲く為、オージーからすれば、ジャカランダは日本人が感じる桜に匹敵する。デイライト・セービング(サマータイム)は、10月最初の日曜日より始まり、翌年の3月最後の日曜日までで時計の針を1時間早めることとなる。

[夏(12月~2月)]
気温が高い日でも日本の様に湿気がない為、あまり暑く感じない。但し紫外線は強いので要注意。過去200年間の最高気温が45.3度。シドニー家庭では、エアコンの普及率は低いので、気温の高い日は、室内に暑い空気が入らないように窓を閉めておくのが基本。熱中症になりやすいので、こまめに水分補給すること。

[秋(3月~5月)]
3月下旬から4月になると秋めいてくる。収穫祭もこの頃。5月の第2日曜日は日本と同じ母の日だが、日本との大きな違いは母の日のプレゼントに白い菊の花を贈ることだ。又、この頃になると南十字星も早い時間帯から観測できる。

[クール・チェンジ]
オーストラリアは山脈が南北に走っているので、南からの冷たい空気や北からの暖かい空気が入りやすくなっている。低気圧が近づいてきた時、温暖前線に向かって北から暖かい空気が入り込んで気温が急激に上がる。又、寒冷前線が過ぎると南から冷たい空気が入り込んで急に温度が下がり、一挙に15度も下がることがある。これをクール・チェンジと呼ぶ。日本では考えられないような急激な温度変化で体調を崩す人も多い。

[雨]
雨は年中平均しており、季節による差はあまりない。統計的にいうとやや冬に多く、夏に少ない。日本の梅雨や秋雨の様な雨期はない。面白いのは西から低気圧が来ても雨が降るとは限らない。シドニーで雨が降る典型的な気象条件は、シドニーの東側のタスマン海に高気圧が張り出し、停滞した時。シドニーが高気圧の西の縁に位置し、タスマン海から湿った空気がシドニーへ向けて吹き出し、シドニーの西にある標高1000メートル級のグレート・ディバイディング山脈にぶつかりシドニーに雨を降らせる。この高気圧がなかなか移動しないと日本の梅雨時期みたいに雨が続くことになる。

交通機関
シドニー市内の公共交通機関は非常によく整っており、バスと電車、フェリーの各ルートが広範囲にわたって網の目のように張り巡らされている。運行はバスとフェリーがステイトトランジット、電車はシティレールという国営の会社。各ルートともシティから放射状に設定されており、運賃が安く旅行者にも利用しやすい。空港からシティまでが近いのも便利だ。

【空港/市内間】
●空港から市内
シドニーの空の玄関口は市内から南へ約10km、ボタニーベイに向かって十字の滑走路をもつシドニー空港。正式名称はキングスフォード・スミス空港といい、空港のある場所の地名からマスコット空港ともいわれる。国際線ターミナルと国内線ターミナル間は約2km離れており、車で約10分ほど。カンタス便の国内・国際線のトランスファー以外でターミナル間を移動する場合、シャトルか、エアポートリンクの電車、あるいはバスかタクシーを利用する。シャトルはシドニーエアポーターが運行するバスが約15分おきに出ている。

・ホテルまで行く乗合バス シドニーエアポーター
市内のホテルやバックパッカーズなどに直接行ってくれるワゴンタイプのミニバス。空港からは人数が集まり次第出発するので予約は不要。チケットは、空港の外にある乗り場で直接販売している。ターミナルを出た先にあるバスの停留所に停車して乗客を待っている。セントラル駅、タウンホール、QVB、サーキュラーキー、ロックス、キングスクロスなどの各ホテルに停まる。所要時間は道路の込み具合や降りる場所によるが、セントラル駅15分、シティ20~30分、キングスクロス35分が目安。夜遅くには運行していないので、その場合はタクシーかエアポートリンクで。 市内から空港へ向かうときは、ピックアップ時間の3時間前までに予約をすればホテルまで迎えに来てくれる。

・寄り道なしで一番早い タクシー
荷物が多かったり、目的地までダイレクトに行きたいならタクシーが便利。空港から市内までは込み具合や場所により約15~25分、料金は$40くらいなので、複数で乗るなら割安となる。タクシー乗り場は国際線ターミナルを出て左側。シーズンによっては順番待ちの列がかなり長いことも。帰りもホテル前にいるタクシーに直接乗れば、空港までもラク。

・荷物が少ないなら エアポートリンク
空港の国内線と国際線のターミナルとシティ間を結ぶ電車。シティ中心部まで約15分と早い。運行は朝5:00台から深夜24:00台までで、平日は早朝、深夜以外は1時間に5本、約10分おきに出ている。土・日曜は1時間に4本と本数が少なくなる。駅のプラットホームにはエスカレーターやエレベーター(リフト)も設置されているので、自分で持ち運びできる範囲なら荷物が大きめでも大丈夫。空港からの所要時間は、セントラル駅10分、ミュージアム駅11分、セントジェームス駅13分、サーキュラーキー駅15分、ウインヤード駅17分、タウンホール駅20分。

●市内から空港
おもな駅からの時間と片道料金の目安
・タウンホール駅から エアポートリンクで$12、約20分(6番線は空港までの直行だがシティ経由で20分ほどかかる。1、2、4番線からはセントラル駅で乗り換え)。タクシーで$40、約20~25分。
・セントラル駅から エアポートリンクで$13、約10分。タクシーで$35、約15~20分。
・キングスクロス駅から エアポートリンクで$13、約22~28分(セントラル駅で乗り換え)。タクシーで$30、約15分。※料金は混雑具合で異なる。


【市内交通】
●シティレール City Rail
ちょっと郊外まで足を延ばすときに便利なのが電車。日本ほど時間は正確でなく、本数も多くはないが、停車する駅名がはっきりわかる点ではバスより利用しやすい。車両の一部は2階建てのダブルデッカーとなっているので、郊外へ行くときは景色がよく見える2階の窓際が特等席だ。
《チケットの買い方》
自動販売機または、窓口で買う。窓口では、片道なら「目的地+Single, please」、往復なら「目的地+Return, please」と言えばOK。平日の9:00以降と週末は往復切符が約4割引になるので、帰りも電車を利用するなら往復を買ったほうが得。

●バス Bus
シティと郊外のルートを網羅しているので、乗りこなせばかなり便利。車体は青と白のツートンカラーが基本だが、全面広告のバスも走っている。メルセデスベンツのオートマチック車で、運転はかなり荒っぽい。ほとんどのバスは、サーキュラーキー、ウインヤード、QVB、レールウエイスクエアをターミナル駅として各方面へ発着する。 バスの前後と左サイドには、行き先とルートを表す3ケタの番号が表示されている。メインストリートを通る路線の多くは10~20分おきに走っているが、朝と夕方のピーク時だけ運行する路線や、1時間に1本しかない路線もあるので注意。週末は本数が減り、終バスの時間も早い。 ルートはやや複雑なので、先に路線図を手に入れておこう。
《バスの乗り方》
シティ内ではほぼ各ブロックに、郊外でも数百mから1kmごとにバス停がある。黄色い標識のバス停には、停まるバスの番号も書いてある。

●旅行者向けの周遊バス
ステイトトランジットが運行する観光向けの周遊バス。観光名所やショッピングエリア、郊外の見どころを循環する。チケットは1日乗り降り自由。乗車時に運転手の横にある緑色のチケットリーダーにチケットを差し込むと、最初に使った日付が刻まれる。赤いバスの「シドニー・エクスプローラー」と青いバスの「ボンダイ・エクスプローラー」がある。
・シドニーエクスプローラー Sydney Explorer
ダーリングハーバーなど、市内を中心に全長26kmに及ぶ観光ポイントを循環する真っ赤なバス。27ヵ所ある停留所が乗り降り自由。毎日8:40~17:20の間に約20分間隔で運行、1周は約2時間。最終バスは19:13頃サーキュラーキーに戻る。

●メトロライトレール Metro Light Rail
セントラル駅を起点にチャイナタウンを抜け、スターシティ、フィッシュマーケット、グリーブを経由してリリフィールドにいたる路面電車。セントラル駅とスターシティ駅間は24時間運行しており、6:00~深夜まで10~15分おき、それ以外の時間帯は30分おきに運行している。チケットは各プラットホームの自動販売機、あるいは車内の自動販売機で買うか、車内にいるコンダクター(車掌)から購入する。

●シドニーモノレール Sydney Monorail
1988年の建国200年のときにオープンしたシドニー名物。約15分かけてシティ中心部からダーリングハーバー、チャイナタウンを通り再びシティへと周回する。3~5分間隔で運行しており、料金はどこまで乗っても1回の乗車につき$4.50。駅の自動販売機でトークンを買う。

●フェリー Ferry
パラマタ川によって大きく南北に分断されているシドニーでは、ハーバー内を縦横無尽に行き交うフェリーは市民にとって通勤、通学の重要な足。起点はバスターミナルや鉄道駅のあるサーキュラーキーで、行き先別に何本ものルートがある。運航時間は、行き先と時間帯によるが、マンリー行きが6:00~23:45、そのほかは7:00~19:00の間、15~60分間隔で出航している。大きなターミナル駅では停泊先からバスへの乗り換えもスムーズ。観光客にとってはクルーズ感覚でハーバーを満喫できる。

ブルーマウンテンズ
シドニー郊外の高原リゾートとして、観光客ばかりでなくシドニー市民にも人気のあるのがブルーマウンテンズ。シドニー中心部から西へ100kmほど離れた丘陵地帯だ。ビクトリア州からクイーンズランド州まで、東海岸と内陸とを隔てて連なる大分水嶺山脈The Great Dividing Rangeの一部で、峡谷、滝など、変化に富んだ風景が見られる。 山とはいうものの、この辺で一番高い所でも海抜1000m前後。日本で呼ぶ山というよりは、高原に近い感じだ。 またこの地域はユネスコの世界自然遺産グレーター・ブルーマウンテンズ地区に登録されている。一帯には90種を超えるユーカリやゴンドワナ大陸に起源をもつシダ植物が生え、さらに絶滅したと信じられていた世界最古の木ウオレマイパインも発見されるなど、世界的に貴重な植物層を残す場所となっているのだ。 ブルーマウンテンズへはシドニーからの日帰り観光が一般的だが、これだとカトゥーンバ周辺観光だけとなってしまい、本当にすばらしいブルーマウンテンズには出合うのは難しい。最低1泊はして、朝日、夕日に染まる大峡谷を眺め、自分の足で樹海のなかをゆっくりブッシュウオーキングしてみたい。

ハンターバレー
ハンターバレーはシドニーの北西約160kmにある、オーストラリアを代表するワインの名産地だ。地域一帯はポコルビンを中心とするロウワーハンターLower HunterとデンマンDenmanを中心とするアッパーハンターUpper Hunterに分けられるが、どちらも緩やかな起伏の続く丘陵地帯にどこまでもブドウ畑が続いている。点在するワイナリーは、オーストラリア大手のワイン会社からこぢんまりした家族経営のブティックワイナリーまで、実に70以上にも及ぶ。これらのワイナリーを訪れて、試飲しながらお気に入りのワインを探す……ワイン好きにはこのうえなくうれしいことに違いない。また、サラブレッドの飼育も盛んで乗馬もできるし、熱気球、サイクリングツアーなどのアクティビティも楽しめる。セスノックやポコルビンに滞在して、思う存分ハンターバレーを満喫してみよう。

ポートスティーブンス
シドニーから車で約2時間30分の所にある、ネルソンベイNelson Bayを中心とした湾、半島一帯を通称ポートスティーブンスと呼ぶ。深く入り込んだ入江には、ペリカンや野鳥が集まり、ネルソンベイでは、野生のイルカを見ることができる。カキの養殖も盛んで、新鮮なシーフードが味わえる。シドニーから比較的近いこともあって、週末をここでのんびり過ごすシドニー市民たちは多い。

ニューカッスル
シドニーから電車で3時間弱。ニューカッスルは、ハンター川Hunter Riverの河口に開けたNSW州第2の都会だ。19世紀半ば以降、近郊で採掘される石炭の積み出し港として急速に発展、今でも石炭を積む大型タンカーが、沖にずらりと停泊しているのが見られる。また地震には縁のないオーストラリアで、1982年に死者12名を出すという、オーストラリア史上最大の地震被害に見舞われ、「地震の際の注意」を書いた、オーストラリア唯一の看板が建っている。 ニューカッスルは工業都市としてのイメージが強く、旅行者には見落とされがちだが、ワインの産地ハンターバレーHunter ValleyやポートスティーブンスPort Stephensへの玄関口でもあり、シドニーに次ぐ2番目に古い歴史をもつ都市でもある。街の中心には古い聖堂がそびえ、映画館や警察署など、街のおもだった施設も、歴史ある建築物を改装したものが多い。また近郊には、ノビーズビーチNorbby's Beach、ニューカッスルビーチNewcastle Beachと、サーフィンに絶好のビーチがある。

ポートマックォーリー
シドニーとクイーンズランドとの州境とのちょうど中間、ニューカッスルから270km。ヘイスティングリバーHasting Riverの河口に開けた町だ。水泳やサーフィンなどに絶好のビーチも多く、ホテルやモーテル、YHAやバックパッカーズなどの宿泊施設も多い。 1821年に町造りが始まったという歴史のある町で、当時の様子を伝えるヘイスティング歴史博物館Hasting Historical Museumが町の真ん中クラレンス・ストリートClarence St.にある。また、この一帯はオーストラリア有数のコアラ生息地で、コアラ専門の病院もある。

コフスハーバー
ポートマックォーリーから北上すること150km、シドニーとブリスベンのちょうど中間あたりに位置するのがコフスハーバー。ホリデーコーストを代表するトロピカルムードあふれるリゾートタウンだ。 パシフィック・ハイウェイPacific Hwy.とハイ・ストリートHigh St.が交差するあたりが、ショッピングなどに便利な昼の中心地。コフスハーバー・ビジターインフォメーションセンターCoffs Harbour Visitor Information Centreもこの近くだ。レストラン街はそのハイ・ストリートを5kmほどジェッティのほうに進んだ付近にある。 アクティビティをするならジェッティへ行ってみよう。レストラン、おみやげ屋、サーフショップのほかにマリーナ・ブッキングセンターがあり、ドルフィンウオッチ・クルーズやウオーターアトラクションの予約ができる。 宿泊施設はモーテル、ホテルならビジターインフォメーションセンター近くのパシフィック・ハイウェイ沿い、またはパークビーチPark Beach近くのオーシャン・パレードOcean Pde.沿いに多い。リゾートホテルはビッグバナナより北側に点在している。

ウロンゴン
町の中心はクラウン・ストリートモールで、この通りと交差するチャーチ・ストリートChurch St.とケンブラ・ストリートKembla St.、並行に走るマーケット・ストリートMarket St.には、19世紀後半から20世紀前半にかけての建物が今も数多く残っている。 見逃せないのはチャーチ・ストリートにあるセントマイケルズ・アングリカン聖堂St Michael's Anglican Cathedral。1859年建造の重厚な雰囲気の石造りの教会で、前庭にある巨大な杉の木も教会同様に立派だ。ちょうど丘の上に建っているので、眺めもいい。坂道の向こうに広がる落ち着いた町並み、黒煙を吐くポートケンブラの製鉄所、真っ青な海、緑豊かなプレザント山Mt. Plesantを中心とした山々。ウロンゴンならではの景観が楽しめる。 ほかにもマーケット・ストリートとチャーチ・ストリートとの角にある1884年建造のウロンゴン裁判所Wollongong Court、マーケット・ストリートとケンブラ・ストリートの交差点近くにある1855年建造のコングラゲーションチャーチ(組合教会)Congregational Churchなどを見ておきたい。観光地としては一般的ではないが、ウロンゴン大学への留学や英語研修先としてはよく知られている。

サウスコースト
ウロンゴンから南のサウスコーストは、まだまだ観光客の少ないNSW州の穴場だ。点在する町は、どこも美しいサーフビーチをもち、また沿岸部や内陸に点在する国立公園はカンガルーや野鳥の宝庫としても知られている。

スノーウィマウンテンズ
大分水嶺山脈南部、オーストラリア最高峰マウントコジウスコ(2228m)を中心として広がるスノーウィマウンテンズは、オーストラリア随一のスキーリゾートとして注目を集めている。キャンベラの南約100kmの町クーマCoomaがこの地域の中心都市で、近郊にはスノーウィマウンテンズから流れ出る豊富な水をせき止めて造った13のダムをもち、オーストラリア最大の水力発電の基地ともなっている。 クーマから西へ60kmあまり行くと、スキーリゾートへのベースタウン、ジンダバインJindabyneがある。ジンダバイン湖に面した小さな町で、ここからはバスでスレドボ、ペリシャーブルー、シャルロッテパスなどのスキー場を訪れることができる。

カウラ
シドニーの西320kmの内陸に位置するカウラは、これまでの日豪関係を語るうえで重要な町だ。 第2次世界大戦末期の1944年のこと。この町には大きな戦争捕虜キャンプがあり、ドイツ兵、イタリア兵とともに1000人を超える日本兵捕虜(このなかには朝鮮人、台湾人も含まれる)が抑留されていた。日本兵1000人あまりが、当時の戦陣訓「生きて虜囚の辱めを受けず、死して罪過の汚名を残すことなかれ」に従い、8月5日、まだ夜の明けきらぬ闇のなか、脱走を企てた(脱走の理由には諸説ありいまだはっきりしたことはわかっていない)。警備兵の待ち構える場所を強行突破するという大脱走劇だった。その結果は、わずか数時間のうちに200人を超える死者を出し、残りは再び捕虜として抑留されるという惨事を招いたのだった。今、その捕虜キャンプ跡に残るのは当時の建物の土台だけ。そしてその入口に、日本兵がどのようなルートで脱走を企てようとしたかを示す説明板が置かれている。 こうした歴史をもつカウラには、大脱走劇のみならず戦争で亡くなった多くの日本人を祀る日本人戦没者霊園Japanese War Cemeteryがある(1963年、正式にオーストラリアから日本へ割譲された日本の領土だ)。そして過去の歴史をふまえ、これからの日豪友好関係を築く町として、1978年、京都の修学院離宮の様式にのっとって造られた日本庭園と、日本の文化を紹介する日本文化センターJapanese Garden & Cultural Centreが造られた。
 戦没者霊園から捕虜キャンプ跡、日本庭園と続く道路沿いには、桜並木が植樹され、毎年9月、桜祭りが開催される。普段は観光客の少ないカウラの町にも、この時期、シドニーやキャンベラに住む在留邦人をはじめ、多くの日本人が訪れる。そして霊園に献花し、町の人々と一緒に桜祭りを祝うという。

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